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東日本大震災(第2回) 神戸の記憶と当日の決断 

2011-05-27
1995年1月。
阪神国道、武庫川を渡り西宮に入ったとたん、だんだん周囲の様子がおかしくなり。


川を越える事が多い道でした。
橋の部分が妙に盛り上がり、乗り上げるたびフル積載のバイクはリアサスペンションが底尽きします。アスファルト面に亀裂もあり慎重な運転を強いられます。
一階は潰れ二階部分だけが残る家屋が見え始め、さらに1km進むとすさまじい光景が目に飛び込んできました。

もし戦争を体験したのなら、破壊とはこうなのだと身震いしながら神戸市へ。

大渋滞は1cmも車列が進む気配なく、路肩をすり抜けるも家屋が道路側へ激しく傾き、すぐ頭上に壁面がある状態。
大阪市城東区の個人のお宅で積み込んだ荷物はペットボトルの水に携帯コンロのカセット、食料品。
ボックスの隙間という隙間に小さなお菓子や板海苔までぎゅうぎゅうに詰め込んだご主人「たのむで!なんとか届けてや。まともに動いてるのはバイク便しかおらん。」

全くすり抜けできず停止状態が30分続いたり、渋滞中の車のドアが突然開いたり。原付スクーターの方々は、みな歩道へバイクを手で持ち上げ走っていきます。
これまでに体験した事のない異常な状況でした。

市内の地図を持っていたものの、いたるところで通行止め迂回の連続。夜だった事もあり方向感覚も失くしていました。
警察署発行の緊急通行許可標章をバイクに掲示していましたが、大都市内で緊急通行路の確保は事実上不可能。車やバイクが溢れかえっています。

出発前に会社から、1リットル容量の予備ガソリンボトルを支給され「事故を起こすな。怪我をしても救急車は来ない」と厳しく警告を受けての配送業務。

たどり着いたのは長田区の小学校。

お届け主を探すにも探せないほど多くの避難の方。ご本人を見つけるまでに更に2時間費やしました。
その老婦人は涙を流し「あんたも大変だったろうに、これを持って行きなさい」とお届けした物資の中から缶コーヒーを私に。固辞しましたが押し戻され、が続きついに私が折れて頂いて帰りました。

寒くて道中トイレをずっと我慢していました。学校内のトイレに行くと、水が出ない大便器はすさまじい光景、あきらめました。
コンビニは営業しておらず飲料の自動販売機は全て売り切れ。頂いた冷たいコーヒーを飲みつつ、三宮まで戻り今度は在京キー局の中継車そばでテープが出来上がるのを数時間待ち、伊丹空港へ。マイクロウェーブだけでは映像を送り切れないからです。


朝すり抜けて追い越したトラックを夕方また追い越した時、数キロしか進んでいない事もありました。

これが発生から1週間未満の神戸の様子です。
大阪と神戸を何往復したかは覚えていませんが「なぜ無傷の都市がこんなに近いのに、物資が行き渡らないのか」という疑問を胸に走り続けました。
発生当日の東名高速では数百台を超える自衛隊のトラックを横に見つつ、西を目指しました。
自衛官の方々との交流もずいぶん持たせて頂き、ご苦労も知りました。

大阪営業所への支援が落ち着き東京の自宅へ帰ったのは3週間後、2歳の娘は私の顔を忘れていました。

抜けるような碧い空と寒さ、緊急車両のサイレン音は今でも昨日の事のように思い出されます。
オートバイの有用性を感じ、仕事への誇りとモチベーションを確認した16年前の出来事でした。私の人生で大きな事件です。


2011年3月11日、宮城県沖を震源にした超巨大地震による大きな被害に私たちは大きな衝撃を受けました。
東京の事業所でも書庫が倒れ、オートバイを倒した、という報告も何件かありました。


バイクに何が出来るか、被災地で何をすべきか、発生30分後には議論を始めました。
しかし東京の交通インフラも全停止に近い状況、パニックが起きつつありました。今すぐ1分後に起こすべき行動がある、という結論が下りました。


とにかくコールセンターの受話器を上げ、目の前のオーダーに全力を尽くす事。まずは東京の正常化に一役買おう、という結論を。

次回へ続く。



地震発生から10分後、お台場方向のビル屋上で火災が発生。人も車も何か憑かれたように静かに黙々と移動する中、大量の緊急車両がサイレンを鳴らし始めたのが印象に残ります。
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By-Qの本社から30メートルほどの場所。地震から1時間経過し液状化現象が始まる。泥土が道路から勢いよく吹き出し始めました。(東京都江東区辰巳)
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